「冷え性が止まらない…」そんなあなたを温めるよもぎ蒸しの秘密

 

「足先が氷みたい!」とベッドの中でじたばたしながら迎える冬の朝。
カーテン越しの日差しはあるのに、指先は白く、肩はこわばり、マグカップで温めた手もすぐに冷える——そんな“冷え性ループ”にハマっていませんか?
私自身、毎年ホッカイロと厚手靴下の重ね技でしのいできましたが、外出先でカイロを切らした瞬間に戦意喪失…。
そこで出会ったのが、韓国発祥の温活ケア「よもぎ蒸し」です。
ほんのり甘く青い香りの湯気に下半身を包まれると、つま先から頬までぽわっと血色が戻り、心までほぐれる感覚に思わずにんまり。
今年は「温め貯金」を掲げ、よもぎ蒸しで体質改善を目指すことに決めました。

 

そもそもよもぎ蒸しとは、穴の空いた専用スツールにマントをかぶって座り、下部から煮立ったよもぎとハーブの蒸気を浴びる古式座浴。
産後の子宮回復や婦人科トラブルの養生として朝鮮王朝の医書にも記載が残ると言われ、日本では十五年ほど前からサロンメニューとして定着しました。
蒸気温度はお風呂より低めの約40〜45℃なのに、粘膜や毛細血管の密集部にダイレクトに当たるため、たった20分で全身がしっとり汗ばむほど。
しかも艾葉に含まれるシネオール、ツヨン、β-カリオフィレンといった精油成分が揮発し、森林浴のようなリフレッシュ感まで味わえます。
漢方薬草として“温・通・巡”の三拍子がそろうよもぎだからこそ、蒸気という形と相性抜群なのです。

 

「気持ちいいだけで終わらない?」という声に応えるべく、近年は温熱×ハーブのエビデンスも続々。
2024年に韓国の中央大学が行った試験では、よもぎエキスが一酸化窒素合成酵素を活性化し、血流改善を後押しする結果が得られました。
さらに間接灸で知られる艾灸研究では、局所の皮膚温が10℃近く上がり、指先など遠隔部位の温度までじわじわ上昇したとの報告も。
熱刺激が自律神経を介して全身の血管拡張反応を引き起こす可能性が示唆され、心拍数やリラックス指数(HRV)が穏やかに変化したデータもあります。
もちろん医薬品ではないため「治す」とは言えませんが、冷えの根本である“巡りの滞り”に寄り添うセルフケアとしては十分期待できそうです。

 

実践するときは、安全と心地よさのバランスが肝心。
サロンならスタッフが温度をこまめに測定し、よもぎの産地や農薬チェックもクリアした素材を使用してくれるため初心者におすすめ。
自宅派は、厚手の土鍋で乾燥よもぎを煮出し、市販の座浴スツールとマントをセット。
蒸気温度が45℃を超えないか料理用の温度計で確認し、皮膚が敏感な日は膝掛けを一枚挟むと安心です。
入浴と同じく食事直後・発熱時・妊娠初期は控えめに。蒸し上がった後は身体が水分を欲するので常温の白湯をコップ一杯。
汗を拭き取ったら、お腹と仙骨に軽く手を当てて余韻を味わうと、じわじわ温かさが続きます。

 

冷えは痛みやむくみ、くすみなど“ちょっとした不調”を連鎖させ、気分まで落ち込みがち。
でも、湯気越しに深呼吸しながら「自分を丸ごと温める」時間を取るだけで、心はふわっと軽く、背筋もしゃんと伸びるから不思議です。
よもぎ蒸しは手間も香りも優しい温活。忙しい毎日の合間に20分、自分専用のスチームルームを持つつもりで取り入れてみてください。
ほんのり桜色の頬で鏡に向かうあなたは、きっと昨日より生き生きとしています。
さぁ、次の週末は温かな湯気のベールの向こうで“ポカポカの私”に出会いましょう。
このブログが冷え知らずで笑顔のあなたへの一歩になりますように。

<注意事項>本記事は健康情報の提供を目的とし、医薬品の効能等を謳うものではありません。持病のある方や不安がある場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

出典
Moon J. Son et al., Food Science & Biotechnology 34(8), 2024
X. Chang et al., Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2019
Z. Wang et al., Journal of Traditional Chinese Medicine, 2014
A. Hiyama et al., Frontiers in Physiology, 2022
A. Lewandowska et al., International Journal of Molecular Sciences, 2020

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