生理前のイライラ・むくみをラクにする温活×フェムケア入門

「なんだか心も体もパンパン…」そんな日はポカポカ準備日和

生理前になると、理由もなくピリピリしたり脚がブーツのファスナーを拒否したり。実はそのモヤモヤには“冷え”が深く関わっています。体温が下がると血流が滞り、余分な水分や老廃物がスムーズに流れずむくみやすくなるうえ、自律神経のバランスも乱れがち。イライラや落ち込みは「心の問題」だけでなく、単純に“巡り”の問題であることも多いのです。そこで頼りになるのが、からだを内外から温める“温活”と、自分のリズムを味方につける“フェムケア”という二つのセルフケア。

 

冷えとホルモン、そしてめぐりの科学

排卵後に増える黄体ホルモン(プロゲステロン)は基礎体温をほんのり上げる一方、血管を拡張しにくくして水分滞留を招きやすいと言われています。ここで体表の温度が下がると、血流量がさらに減って余計にむくみやすくなる悪循環へ。温めると皮膚血管が開き、骨盤内の巡りが促され、自律神経もリラックス方向へシフト。実際に足浴や腹部ホットパックは、PMS のイライラや下腹部の張りをやわらげることがさまざまな臨床試験で示されています。

 

今日からできる温活ルーティン

まずは足先・お腹・仙骨の三カ所を意識してみましょう。夜、38〜40℃のぬるめ足浴に15分。ふくらはぎを軽く撫で上げるとリンパの流れも助けてくれます。デスクワーク中は腹巻きやカイロでお腹をじんわり温め、深い呼吸を意識。さらに朝一杯の白湯にショウガやシナモンをほんの少し。刺激の強すぎるスパイスより、じんわりタイプのハーブがおすすめです。体表面の温度が1℃上がるだけで基礎代謝はグッと高まり、むくみも翌朝には「そういえば軽いかも」と気づけるはず。

 

 

フェムケア視点で“自分の取扱説明書”を作る

温活を続けるコツは、自分の周期を可視化してリズムを掴むこと。アプリや手帳に「今日はむくみ」「足が冷たい」など主観メモを添えておくと、冷えと気分の変化がリンクしているのが見えてきます。便秘や睡眠不足も巡りを悪くする大きな要因なので、夜更かしが続いた週は意識的に早寝&ゆったり入浴。体と対話するクセがつくと、生理前でも「あ、そろそろ温め強化デーだな」と前向きに迎えられるようになります。

 

あしたの自分をラクにする小さな火種

イライラもむくみも、「温めて巡らせる」ことで意外と簡単にほぐれるもの。特別な道具がなくても、白湯、足浴、腹巻き、ゆるストレッチといった日常の小さな火種が、心と体をぽかぽかに灯してくれます。生理前こそ丁寧にからだを抱きしめる時間と捉えて、温活×フェムケアを楽しんでみてください。

明日の自分がふと笑顔になる瞬間が、きっと増えていきます。


【出典・参考文献】

Warm-water footbath improves dysmenorrhoea and heart rate variability in college students. (PubMed)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34560833/

Effects of kinesio taping and hot packs on premenstrual syndrome. (PubMed)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28931978/

The Effect of Foot Bath on PMS, Sleep and Quality of Life (ClinicalTrials.gov Identifier: NCT05264519). (クリニカルトライアルズ.gov)
https://clinicaltrials.gov/study/NCT05264519

Heat therapy for primary dysmenorrhea: systematic review and meta-analysis. (Nature)
https://www.nature.com/articles/s41598-018-34303-z

健常成人における冷え症の生理学的メカニズムに関する研究. (J-STAGE)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocp/52/2/52_87/_pdf

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