月イチの気分ジェットコースター、もう降りたい!
生理前になると、理由もなくイライラしたり突然落ち込んだり——そんな情緒の波にのまれながら、お腹はしくしく、顔もむくんで鏡を見るのがイヤになる……。
PMS(⽉経前症候群)はホルモン変動に自律神経の乱れ、冷えやストレスが絡み合い、心と体のスイッチが“ONでもOFFでもない中途半端”に引っ掛かった状態。だからこそポイントは、ゆるんで巡る「余白」をつくること。
そこで今回は、耳まわりの小さなツボを刺激して脳にリラックス信号を送り、下半身をよもぎの蒸気で温めて巡りを底上げする——ふたつのセルフケアを掛け合わせて、月イチのモヤモヤに立ち向かう作戦をご紹介します。
ふれるたび呼吸が深くなる——耳ツボのやさしい魔法
耳には「迷走神経」の末端が走り、副交感神経のアクセルを直接踏み込める“隠れスイッチ”が点在しています。シールタイプの耳ツボ(アレルギーフリーのセラミック粒や金粒付き)をPMSに関与すると言われる「神門」「内分泌」「交感」などに貼り、指先でそっと5秒プッシュするだけで、脳はリラックスモードへ滑り込み、ホルモンバランスを調節する視床下部も微調整を始めるとされます。
実際にランダム化比較試験では、週1回・8週間の耳ツボ刺激でPMSの身体症状と気分症状が有意に減少したという報告も。
薬ではないから即効性は穏やかですが、「貼った瞬間から深呼吸がしやすい」「寝つきが早い」と体感する人が多いのは、副交感神経が静かにリードを取り戻したサインです。貼ったまま24時間生活できる手軽さもうれしいポイント。
よもぎ蒸しが叶える“芯から温まる”めぐり加速
一方、植物ケアの知恵が息づく「よもぎ蒸し」は、椅子の下でよもぎとハーブを煮立て、その蒸気を骨盤まわりから浴びる温熱ケア。40℃前後の穏やかな蒸気が子宮近くの血流を促し、深部体温を一度ゆるく上げてからゆっくり下げることで眠気を呼び込みます。
よもぎに含まれるシネオールやアルテミシンは鎮静・抗酸化作用が示唆され、浴びる香りだけでも肩の力が抜けていく感覚に。さらに下半身が温まると骨盤内のうっ血が和らぎ、PMSで感じやすい重だるさやむくみの軽減を後押ししてくれると言われます。
使用後は汗がにじむ程度で終了し、常温の水分補給と早めの就寝で、体はスムーズに回復モードへ移行。
過度な高温や長時間蒸しは粘膜トラブルの原因になり得るので、“心地よさ”を最優先に時間と温度を調整しましょう。
ダブルケアを味方にする夜の15分ルーティン
仕事を終えた後、まずコップ一杯の水で体に“余裕”を与えたら、耳ツボシールを左右3ポイントに貼って軽くプッシュ。次によもぎ蒸し専用チェア、なければ深めのバケツに熱湯を注ぎよもぎパックを浸し、バスタオルで簡易テントを作って10分腰掛けます。蒸気を浴びながら、貼った耳ツボを再びゆっくり押すと、呼吸がさらに深く整いつつ体も芯からポカポカ。終了後はぬるめのシャワーで汗を流し、白湯をすすりながら布団へ。
シンプルだけど“感覚に集中する15分”が、乱れがちな自律神経をリセットし、翌朝の目覚めを軽やかにしてくれます。
わたしの機嫌はわたしがとる”セルフコンパッションの第一歩
耳ツボで脳に深呼吸の合図を送り、よもぎ蒸しで下半身を温め巡りを整える——このダブルケアは、薬では補えない“心と体のグラデーション”に寄り添うハンモックのような存在です。
即効で症状ゼロを目指すのではなく、「今月は波がゆるやかだった」と感じられる小さな成功体験を積み重ねることこそ、PMSに振り回されない未来への近道。
まずは今夜、耳とよもぎの香りにそっと身を委ね、自分自身に優しくチューニングしてみませんか?
出典
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35167949/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24410911/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36991541/ https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0301211522005796 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7583039/