顔から噴き出す熱波——ホットフラッシュは“温度センサーの混線”
更年期に入ると、エストロゲンが減り自律神経の「体温センター」が一時的に迷子になります。体は実際よりも〝暑い!〟と勘違いし、皮膚血管を一気に開いて発汗スイッチを連打——それがホットフラッシュ。ところが大量に汗をかいた直後は逆に冷えてガタガタ……まさにシーソー状態。
ここで試したいのが“温めてじんわり→ぬるめでクールダウン→リラックスで余熱キープ”という温冷サウナ。サウナの深部加温と軽い冷却刺激をミニセットで繰り返すと、自律神経の振れ幅が小さくなり、ホットフラッシュの波を穏やかにする手助けになります。
なぜ「温め+クール」がホットフラッシュに効くの?
高温環境で10分ほど発汗すると毛細血管が拡張し、血流が皮膚から中心へ再配分される頃には交感神経がピークに。
ここでぬるめのシャワーを30秒だけ当てると血管がキュッと収縮し、ポンプ作用で余分な血液や水分が戻されます。この交感・副交感のリズム運動は、体温センサーを再キャリブレーションする“リセットボタン”のようなもの。遠赤外線など穏やかな熱刺激は更年期症状を下げた臨床試験もあり、熱と冷を組み合わせることで血行と自律神経のバランスがさらに整う可能性が示唆されています。(PubMed, PubMed)
実践!週2回・30分でできる温冷サウナの流れ
仕事帰りにサウナへ入ったら、まず80 ℃前後でゆっくり深呼吸しながら10分。頬がじんわり温まったら、シャワーブースに移動して33 ℃ほどの“ぬるめ水”を手首・足首から肩までサッと30秒。当たるのは1回だけ、ガマン比べは不要です。
その後ラウンジチェアに腰かけ、水を200 mL飲みながら5分休憩。このヒート→クール→レストを1セットとし、体調に合わせて2セットまで。最後は常温のハーブティーでゆっくり水分補給して終了。クールの水温を低くし過ぎるとかえって血管が過剰収縮するため「冷たすぎない」がポイントです。
温冷サウナを続けるコツと注意点
サウナ発汗で体重が数百グラム減っても、それは“余剰水分”と電解質の一時的な排出。終了後は必ず同量以上の水とカリウムを補給し、脱水を避けます。
入浴前にめまいがある日や、血圧が収まらない日はスキップが鉄則。
またミントやメントール系の強い冷却ジェルは、ホットフラッシュ中の皮膚刺激になりやすいので避けましょう。体が温まると一時的に汗は増えますが、リズムに慣れると発汗→冷却の“振り幅”が小さくなり「急に暑い・急に寒い」のツラさが和らぎます。
温めて緩め、少し冷やして整えるで揺らぎを味方に
ホットフラッシュを根こそぎ消す魔法はなくても、温冷サウナで自律神経に緩急をつけると、体温の暴走はゆるやかな丘へと変わります。
週2回・30分ならスケジュールも組みやすく、汗とともに溜まりがちなむくみや肩こりも軽減するおまけ付き。
心地よさを基準に、今日から“温→冷→休”の3拍子を試してみませんか?
出典
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22104026/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26674572/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38528599/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12788210/ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30077204/