ほっこり温まりたいのに、カイロや厚着では限界を感じる——そんな“温活迷子”さんへ。
実は、体質と相性のいいハーブを選ぶだけでぽかぽか時間はぐっと長持ちします。漢方の「温裏(体を内側から温める)」という考えをベースに、よもぎ・ローズを中心としたハーブを体質別にガイド。冷えに悩む女性が今日から試せるセルフケアをお届けします。
温めメカニズムは“巡り”の刺激から
手足が冷える最大の理由は、毛細血管まで血が届きにくいこと。温熱刺激で皮膚温が上がると血管が拡張し、末梢循環が促進されます。
たとえば41℃のフットバス10分でも、ふくらはぎまで血流が持続的にアップしたという報告があり、全身入浴と同程度の温熱効果が確認されています(PMC)。
ハーブを加えれば香気成分が皮膚から吸収され、温めながらリラックスまで同時に狙えるのが魅力です。
体質別ハーブ早見——あなたはどのタイプ?
● “氷の手足”タイプ:指先の感覚が鈍く、むくみやすい人は、よもぎ(Artemisia argyi)の芳香と精油成分に注目。マウス試験で脂質代謝を整え、血流を促す働きが示されています(Frontiers)。蒸気浴や足湯にひとつまみ加えると、ツンとした香りが巡りスイッチをオン。
● “ぽっちゃりお腹”タイプ:下腹部が冷たく脂肪がつきやすい人にはローズヒップ。12週間の臨床試験で、腹部内臓脂肪とBMIが有意に低下しました(PubMed)。ビタミンCやポリフェノールが燃えやすい体へ導きます。
● “肩こり&低エネルギー”タイプ:気力まで冷えてしまう日はショウガ。8週間のランダム化比較試験で女性の深部血流を高め、体感温度を改善しました(PubMed)。ハーブティーはもちろん、粉末を足浴に溶かすのも◎。
● “甘いもの好きでだるい”タイプ:シナモンはわずか3 g/日から体重とBMIを下げたメタ解析結果があり(PubMed)、巡りと血糖バランスをサポート。スパイスの甘い香りが食欲を穏やかにしてくれます。
取り入れ方と注意ポイント
ハーブティーなら茶葉2 g を熱湯200 mLで5分蒸らし、湯気を深呼吸しながら。足湯は42℃の湯4 Lに乾燥ハーブ大さじ2をガーゼで包み10分浸すだけ。入浴後は失った水分と電解質を忘れず補給しましょう。
妊娠中や持病のある方は主治医に相談を。ハーブは医薬品ではなく食品・芳香浴材なので、体調の急性悪化時は医療機関を優先してください。
ハーブで“自分専用カイロ”を育てよう
冷えは千差万別。でも体質を見きわめ、よもぎ・ローズ・ショウガ・シナモンを賢く選べば、芯から温まる力は育てられます。
香りとともにめぐりが起きれば、気分もふわりと軽く。今日からあなたのポーチに、小さなハーブ包みを忍ばせてみませんか?
出典 Effects of half-body and foot baths on peripheral circulation in healthy subjects. Sci Rep. 2022. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/PMC9535243/ Essential oil of Artemisia argyi suppresses inflammatory responses and modulates lipid metabolism in HFD mice. Front Nutr. 2022. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2022.1024722/ Daily intake of rosehip extract decreases abdominal visceral fat in pre-obese subjects. Diabetes Metab Syndr Obes. 2015. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25834460/ Beneficial effects of ginger extract on peripheral blood flow in adults. Nutrients. 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39203851/ Cinnamon supplementation and anthropometric indices: an umbrella meta-analysis. J Food Biochem. 2022. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35365881/